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世界中の糸情報にアクセスできるyarnbank®について徹底解説―Mastering yarnbank®: Your Ultimate Guideウェビナーのご紹介

作成者: wearware|2025/11/25 0:00:00

ファッション・アパレル業界において、特にニット製品のデザインや企画における素材選定は、成功を左右する最も重要な要素のひとつです。いまやそのプロセスは、展示会や実物の見本帳に限られるものではありません。今回紹介するyarnbank®は、島精機製作所が開発したグローバルなオンラインプラットフォームで、デザイナー、ニットメーカー、糸サプライヤーをひとつにつなぐ場です。ユーザーは、世界中の糸コレクションを閲覧・比較し、糸サプライヤーへ直接問い合わせることができます。しかも無料で利用可能です。

今回の記事で紹介するyarnbank®ウェビナーでは、糸情報をオンラインで効率的に探し、デザインや生産のワークフローに活用する方法を、島精機製作所のチームが具体的に紹介します。サステナブル素材を求めるニットメーカーにも、新たなインスピレーションを探すデザイナーにも役立つ内容です。デジタル化がもたらす新しいニット業界の姿を、ぜひご覧ください。

この記事の内容は、島精機製作所が開催したウェビナー「Spinning the Future」に含まれている3つのセッションのうち、第一部「Mastering yarnbank®: Your Ultimate Guide」をもとに構成しています。同ウェビナーのアーカイブ動画の視聴、および関連資料のダウンロードについては、以下のページよりお申込みいただけます。

 

yarnbank®ユーザーと糸サプライヤーのグローバルなつながり

 yarnbank®には、2025年7月現在、横編みのニット製品向けの糸を扱う糸サプライヤーが65社以上登録されており、最新の素材情報やカラーブックが公開されています。登録ユーザーは6,700名以上にのぼり、有名ブランドやニットメーカーのデザイナーだけでなく、次世代のニット業界を担う学生や、オリジナルブランドを立ち上げる若手デザイナーにも広く利用されています。ニット製品の企画・製造に携わるあらゆる人々が活用し、企業間のビジネスマッチングやつながりを生み出す場所として役立っている、グローバルプラットフォームと言えるでしょう。 

 

素材や機能性をもとに糸を探そう

yarnbank®にログインすると、まずは最新のカラーブックや人気素材が表示されます。新しいカラーブックは毎日追加され、人気のカラーブックはユーザーの閲覧数や問い合わせ数に基づいて毎月更新されます。展示会に足を運べない方でも、常に最新の素材トレンドを無料で入手できるのが大きな魅力です。カラーブックをクリックすると、番手、素材、ゲージといった基本情報のほか、スワッチ画像やその糸を使用したニット製品の画像も確認できます。メランジやファンシーヤーンなど、糸見本だけでは仕上がりが想像しづらい素材の検討にも最適です。

各糸サプライヤーには専用ページがあり、コレクションをまとめて閲覧できます。糸サプライヤーがおすすめする素材にはラベルが付き、一目で注目素材を見分けられます。さらに、この専用ページから直接糸サプライヤーに問い合わせが可能なので、新規取引先とのスムーズなつながりが生まれています。

現時点で約3,500種類もの素材が登録されていますが、検索機能が非常に充実しており、ウール、カシミヤ、ポリエステルなどの素材、ウォッシャブル・抗ピリングなどの機能性、価格帯に応じた検索が利用可能です。さらに、リサイクルやトレーサブルなどの特徴や、Woolmarkなどの第三者認証の有無を条件としたフィルタリングも対応しています。利用者からは「選択肢が広がった」「意外な素材に出会えた」「新しい取引先とつながった」といった声が多く寄せられています。

 

yarnbank®と最新ニットサンプルを活用したバーチャルサンプリングによるDX(デジタル・トランスフォーメーション)

さらに大きな特徴のひとつが、yarnbank®で扱う糸で編まれた最新のニットサンプルが閲覧できるという点です。yarnbank®は、島精機製作所が運営するデジタルコンテンツWEBサービスSHIMA Datamall™と連携しており、yarnbank®で扱う糸を用いたニットサンプルを確認できます。気になる糸が島精機製作所の編み機での編成実績があるかや、ニットサンプルにホールガーメント®技術が使用されているか、編成機種や編成時間、重さなど、ニット製品の企画に役立つ豊富な情報が提供されています。

SHIMA Datamall™では、機種などの条件を指定してニットサンプルを検索でき、サンプルに使用されている糸の詳細はyarnbank®でチェックできます。また同じ糸で編まれた他のサンプルも閲覧できるため、これまで未使用だった糸でも、糸情報と製品イメージを合わせて効率的に情報収集・検討できます。つまり、yarnbank®とSHIMA Datamall™双方を活用することで、新しい素材の採用に関わる不安を和らげることができます。

SHIMA Datamall™については、以下の記事でもさらに詳しく紹介されています。

yarnbank®には、糸データをダウンロードできる機能も搭載されています。yarnbank®からダウンロードしたデジタルヤーンデータは、島精機製作所が開発したSDS®-ONE APEXシリーズのデザインソフトで編み地や製品のバーチャルサンプリングに使用することができます。ループヤーン、ラメ糸などのファンシーヤーンや、ダウンロードした糸データを撚り合わせた糸など、仕上がりを想像するのが難しい複雑な素材でも、編み地になった時のイメージをすぐに確認できるので企画デザインの時間やコスト削減につながります。さらに、ケーブル柄などの立体柄、ジャカード柄などをデザインし、糸データを使って製品の完成イメージを作ったり、糸のカラーバリエーション情報をもとに製品写真の配色展開をおこなえます。このように、yarnbank®とSHIMA Datamall™を活用することで、ニット製品の製造フローをデジタル化させることができるのです。

 

SDS®-ONE APEXシリーズにはサブスクリプションサービスのデザインソフトウェア「APEXFiz® Design」もありますので、詳しく知りたい方は以下のページよりデモ動画の視聴を申し込みできます。

 

いかがでしたか?もっと詳しく知りたい方は、以下のサイトよりお申込みいただくと、アーカイブ動画の視聴と、本ウェビナーの内容をまとめた「Mastering yarnbank®: Your Ultimate Guide(英文)」のPDF資料をダウンロードできます。アーカイブ動画は英語ですが、YouTubeの字幕機能で日本語を表示できるので安心ですね。ウェビナーでは、yarnbank®のアカウント登録の方法や、yarnbank®の便利な使い方が紹介されています。さらに、「Spinning the Future」ウェビナーの3つのセッションのうち、第2部:糸サプライヤー各社のおすすめ素材をまとめたセミナーと、第3部:The Woolmark Company(ザ・ウールマーク・カンパニー)のプレゼンテーション動画も併せて視聴できますので、この機会にぜひご覧ください。