アジア圏で、大きな糸の国際見本市と言えば、SPINEXPO(スピンエキスポ)。日本からの来場者も多い展示会です。今回は、改めてSPINEXPOがどんな展示会なのか、まとめていきたいと思います。コロナ禍の今、ぜひ押さえておきたい、オンライン対応についても紹介しますので、ぜひ最後までお付き合いください。(2021年5月、追記しました。)
さて、SPINEXPOですが、先日行われた香港展に引き続き、上海での開催が迫っています。
概要は、下記のようになっています。
SPINEXPOは、繊維、紡績糸、ニット、テキスタイル(織物)、テクニカルテキスタイルの分野を扱う国際展で、香港以外にも、上海とパリで年に2回、ニューヨークでは年に1回の頻度で開催されています。横編みや丸編みの機械なども展示されることで知られています。
まずは、前回展(2020年9月1日〜3日開催/2021秋冬シーズン)の実績をチェックしてみましょう。
(出典:SPINEXPOプレスリリース http://www.spinexpo.com/wp-content/uploads/2020/08/mag-spinexplore-shanghai-sept-2020_anglais-1.pdf)
圧倒的に、中国本土からの来場者が多数を占めていますが、全体的に人数が少なめなのは、新型コロナウイルス感染拡大による影響と考えられます。
そこで、前々回(2019年9月3日〜5日)の実績も確認してみます。
(出典:SPINEXPOプレスリリース https://www.spinexpo.com/wp-content/uploads/2020/09/pr_sept_2020_en.pdf)
海外の来場者としては、日本が最多で、519人だったそうです。wearware読者の中にも、行きました!という方がいらっしゃるかもしれません。しかし、今年もまた新型コロナウイルスの影響で、なかなか参加しづらい状況になっています。
<2021年5月追記>
36th session SPINEXPOの来場者データが公表されました。当初2021年3月初旬に予定されていた当展示会は、4月上旬、無事に開催。中国本土からは5,262人、それ以外の国々からは55人、合計5,317人の来場者が会場を訪れました。
今回は、徹底した安全対策や事前登録必須という条件が功を奏したのか、ニッター、ブランド、商社、調達担当者、またはデパートなど、展示会のメインターゲットとなる業種が全体の76.75%に上り、来場者の質の高さとしては、SPINEXPO始まって以来のものとなっています。
今後は、7月に香港でBtoBイベント、8月には上海、9月にはニューヨークでの開催が予定されています。
そこで、今回の展示会でも役立ちそうなのが、Spinexploreです。オンライン展示会のような雰囲気のサイトなので、日本から出張せずとも、参加した気分になれそうです。
spinexplore https://www.spinexplore.comよりキャプチャ
それでは、Spinexplore内のコンテンツを紹介していきましょう。
SPINEXPOのクリエイティブな研究開発や最新の傾向、トレンドフォーラム各分野の舞台裏が紹介されています。
提供されている情報や画像は、色やスタイルなどのコーナーに分けて情報が公開されていて、いずれも対象シーズンでソートすることができます。
糸を、メーカーや糸の種類別にソートして閲覧することができます。個々の糸のページでは、生地の見本や糸情報の詳細(素材、混率、特徴紹介)、メーカーやメーカーURL、コンタクト先が確認できます。
高品質の糸、高度な編成技術を駆使した、クリエイティブなスワッチがアーカイブされています。デザイナーやニッターがデザインしたり研究開発するのに役立つツールとして、公開されています。
SPINEXPOの最新情報や、ユニークなコラボレーション、展示会レビューが紹介されています。
このサイトを見ればインスピレーションが刺激されて、なんだか良いアイデアが降ってきそうですね。
Spinexploreのように、オンラインで糸の情報に触れることのできる機会は、他にもあります。中でもオススメなのが、yarnbank®という糸検索の専門サイトで、既に世界73カ国のユーザーが活用しているグローバルなサービスです。
ユーザー登録&利用は、すべて無料。日本経済新聞でも、記事で紹介されていました。
世界初!<無料>糸情報総合WEBサービス「yarnbank®」
糸の情報収集から糸サプライヤーへのコンタクト、糸データのダウンロードまで。yarnbank®(ヤーンバンク)は、ニットのモノづくりを応援します。
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それでは、どんなサービスなのか、詳しく見ていきましょう。
yarnbank®(ヤーンバンク)は、糸に特化した世界初のデジタルプラットフォームで、ユーザー登録、糸検索、閲覧、ダウンロード、糸メーカーへの問合せができます。
特に目新しいのは、糸のデジタルデータが無料でダウンロードし放題になっていることです。
糸のデジタルデータとは、糸をスキャナで読み込み、データ化したもの。商品企画時に作成するバーチャルサンプルに活用することができます。
つまり、気に入った糸を見つけると、その場で糸のデジタルデータを無料で「持ち帰り」、即座に自社の商品企画で「お試し」することが可能となります。そのシミュレーション結果次第で、糸を購入するかどうか決めれば良いのですから、余計な買い物や、購入後の「思っていたのと違う」という状況を避けることができます。
下記ビデオでは、yarnbank®からデジタルヤーンをダウンロードして、デザインソフトでバーチャルサンプルを作成するまでの過程が紹介されています。
また、このyarnbank®は、新たなオンラインプロモーションの場として、糸メーカーにも注目され始めています。yarnbank®に参画すれば、これまで取引したことのないブランドやメーカーとの新しい出会いがありますし、糸ブックをデジタル化して公開することは、サステナブルな企業活動に貢献することができます。
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毎年1月から3月は、翌年春夏向けの糸・素材の国際見本市が目白押し。PITTI FILATIもそんな大きな展示会の1つです。例年であれば出張参加していても、今年は新型コロナウイルスの影響でリアル展がキャンセルとなってしまい、落胆している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
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