【追記あり】SPINEXPOのオンラインアーカイブSpinexploreとは? 糸情報はオンライン検索できる時代に

2021/02/24 12:04:28


皆さん、こんにちは。ファッション・アパレル業界の未来を救うお役立ちサイトwearware(ウェアウェア)です。

アジア圏で、大きな糸の国際見本市と言えば、SPINEXPO(スピンエキスポ)。日本からの来場者も多い展示会です。今回は、改めてSPINEXPOがどんな展示会なのか、まとめていきたいと思います。コロナ禍の今、ぜひ押さえておきたい、オンライン対応についても紹介しますので、ぜひ最後までお付き合いください。(2021年5月、追記しました。)

spinexpo_venue_34thshanghai

SPINEXPO(スピンエキスポ)とは?

さて、SPINEXPOですが、先日行われた香港展に引き続き、上海での開催が迫っています。

概要は、下記のようになっています。

展示会名:36th session SPINEXPO SHANGHAI
日程:2021年03月09日(火)~11日(木)  2021年4月1日(木)~3日(土)(延期されました)
時間:午前9時〜午後6時(最終日は午後4時まで)
会場:The Shanghai World Expo Exhibition & Convention Center(中国、上海)

SPINEXPOは、繊維、紡績糸、ニット、テキスタイル(織物)、テクニカルテキスタイルの分野を扱う国際展で、香港以外にも、上海とパリで年に2回、ニューヨークでは年に1回の頻度で開催されています。横編みや丸編みの機械なども展示されることで知られています。

まずは、前回展(2020年9月1日〜3日開催/2021秋冬シーズン)の実績をチェックしてみましょう。
(出典:SPINEXPOプレスリリース http://www.spinexpo.com/wp-content/uploads/2020/08/mag-spinexplore-shanghai-sept-2020_anglais-1.pdf)

来場者数 : 7,290人
(内訳/中国本土からは7,204人、海外からは86人)

圧倒的に、中国本土からの来場者が多数を占めていますが、全体的に人数が少なめなのは、新型コロナウイルス感染拡大による影響と考えられます。

そこで、前々回(2019年9月3日〜5日)の実績も確認してみます。
(出典:SPINEXPOプレスリリース https://www.spinexpo.com/wp-content/uploads/2020/09/pr_sept_2020_en.pdf)

来場者数:10,580人
(内訳/中国本土からは8,954人、海外からは1,626人)

海外の来場者としては、日本が最多で、519人だったそうです。wearware読者の中にも、行きました!という方がいらっしゃるかもしれません。しかし、今年もまた新型コロナウイルスの影響で、なかなか参加しづらい状況になっています。

<2021年5月追記>

36th session SPINEXPOの来場者データが公表されました。当初2021年3月初旬に予定されていた当展示会は、4月上旬、無事に開催。中国本土からは5,262人、それ以外の国々からは55人、合計5,317人の来場者が会場を訪れました。

今回は、徹底した安全対策や事前登録必須という条件が功を奏したのか、ニッター、ブランド、商社、調達担当者、またはデパートなど、展示会のメインターゲットとなる業種が全体の76.75%に上り、来場者の質の高さとしては、SPINEXPO始まって以来のものとなっています。

今後は、7月に香港でBtoBイベント、8月には上海、9月にはニューヨークでの開催が予定されています。

 

SPINEXPOのオンラインアーカイブ「Spinexplore」とは?

そこで、今回の展示会でも役立ちそうなのが、Spinexploreです。オンライン展示会のような雰囲気のサイトなので、日本から出張せずとも、参加した気分になれそうです。

spinexplorerのキャプチャ

spinexplore https://www.spinexplore.comよりキャプチャ

それでは、Spinexplore内のコンテンツを紹介していきましょう。

インサイト InSight

SPINEXPOのクリエイティブな研究開発や最新の傾向、トレンドフォーラム各分野の舞台裏が紹介されています。
提供されている情報や画像は、色やスタイルなどのコーナーに分けて情報が公開されていて、いずれも対象シーズンでソートすることができます。

ショールーム ShowRoom

糸を、メーカーや糸の種類別にソートして閲覧することができます。個々の糸のページでは、生地の見本や糸情報の詳細(素材、混率、特徴紹介)、メーカーやメーカーURL、コンタクト先が確認できます。

スティッチラボ StitchLab

高品質の糸、高度な編成技術を駆使した、クリエイティブなスワッチがアーカイブされています。デザイナーやニッターがデザインしたり研究開発するのに役立つツールとして、公開されています。

ポップアップ PopUp

SPINEXPOの最新情報や、ユニークなコラボレーション、展示会レビューが紹介されています。

 

このサイトを見ればインスピレーションが刺激されて、なんだか良いアイデアが降ってきそうですね。

 

糸をオンライン検索するなら、無料の糸データ検索WEBサービス「yarnbank」もオススメ

Spinexploreのように、オンラインで糸の情報に触れることのできる機会は、他にもあります。中でもオススメなのが、yarnbankという糸検索の専門サイトで、既に世界73カ国のユーザーが活用しているグローバルなサービスです。

ユーザー登録&利用は、すべて無料。日本経済新聞でも、記事で紹介されていました。

 

それでは、どんなサービスなのか、詳しく見ていきましょう。

yarnbank-site-capture

yarnbank(ヤーンバンク)は、糸に特化した世界初のデジタルプラットフォームで、ユーザー登録、糸検索、閲覧、ダウンロード、糸メーカーへの問合せができます。

yarnbankで検索できる項目
  • キーワード
  • サプライヤー(糸メーカー)名
  • 番手
  • 国名
  • シーズン
  • 種類
  • 素材
  • ゲージ
  • 価格帯
  • 特徴

 

特に目新しいのは、糸のデジタルデータが無料でダウンロードし放題になっていることです。

yarn

糸のデジタルデータとは、糸をスキャナで読み込み、データ化したもの。商品企画時に作成するバーチャルサンプルに活用することができます。

バーチャルサンプルとは
現物の生地や衣服に代わり、コンピュータ上で再現された商品サンプルのこと。画像や動画、3Dモデルなどの形式で見ることができます。商品企画の時間やコストを削減できるだけでなく、サステイナブルなモノづくりの手法として注目を集めています。作成には、専用のデザインソフトが必要です。

つまり、気に入った糸を見つけると、その場で糸のデジタルデータを無料で「持ち帰り」、即座に自社の商品企画で「お試し」することが可能となります。そのシミュレーション結果次第で、糸を購入するかどうか決めれば良いのですから、余計な買い物や、購入後の「思っていたのと違う」という状況を避けることができます。

下記ビデオでは、yarnbankからデジタルヤーンをダウンロードして、デザインソフトでバーチャルサンプルを作成するまでの過程が紹介されています。

 

また、このyarnbankは、新たなオンラインプロモーションの場として、糸メーカーにも注目され始めています。yarnbankに参画すれば、これまで取引したことのないブランドやメーカーとの新しい出会いがありますし、糸ブックをデジタル化して公開することは、サステイナブルな企業活動に貢献することができます。

 

 

 

wearwareはファッションデザインのデジタル化を応援しています。

次回の更新もお楽しみに!

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