突然ですが、ファッション・アパレル業界の皆さんが企画している服が商品になるまでに、時間とコストがかかりすぎていると感じたことはありませんか? 一般に、服作りにかかる期間は1年と言われています。特に、サンプル作成はやり直しが多いため、時間やコストが膨らみがち。このリードタイムを短縮するために、業界ではバーチャルサンプルの活用が広まっています。バーチャルサンプルを使えば、実際のサンプルを作らずとも企画検討できるので、資源の無駄も削減できます。
そこで今回から、バーチャルサンプルを活用した、ファッション業界のデジタル化を促進するためのソリューションを全6回のシリーズでお届けします。第1回目は、ニットウェアのバーチャルサンプル作成の流れを紹介します。
当記事の内容は、島精機製作所が主催のウェビナーを参考にしています。
全6回のウェビナー動画の閲覧と資料のダウンロードは下記サイトよりお申込みいただけます。
バーチャルサンプルってどれくらいリアルなの?
バーチャルサンプルは、現物サンプルの作成回数をおさえるのに役立ちますので、導入を検討している企業も増えているようです。ですが、本当に製品サンプルの代わりに使えるかどうか、気になっている方も多いのではないでしょうか。
では、ここで問題です。
以下の2つの写真のうち、どちらが本物で、どちらがバーチャルサンプルでしょうか?
答えは、
右側が本物で、左側がバーチャルサンプルです。違いが分かりましたか?
これは、
SDS®-ONE APEXシリーズで作成しました。ここまでリアルだと、実際の製品企画にも活用できそうですよね。
バーチャルサンプルについてもっと詳しく知りたい方は、下記もご覧ください。
ここからは、SDS®-ONE APEXシリーズの操作方法や便利機能の紹介を交えながら、リアルなニットのバーチャルサンプルの作り方を説明していきます。
ニットウェアのシルエット作成
SDS®-ONE APEXシリーズでは、シルエット作成には「型紙」を採用しています。型紙によるデザイン表現によって、理想的なシルエットを追求することができます。
ニットウェアのシルエット作成手順
- 作成したいアイテムをテンプレートから選択します。
- 寸法表に寸法を入力します。
- 型紙が作成されます。
ニットの型紙は、あらかじめテンプレートが用意されているので、希望に近いものを選ぶことで、簡単に作り始めることができます。また、寸法表に詳細な数値を設定することで、オリジナルの型紙が作れます。ニットの型紙に特化した寸法入力からのシルエット作成は他のCADソフトにはありませんので、SDS®-ONE APEXシリーズのユーザー間では、大変重宝されているようです。
次に、作成した型紙を3Dモデルに着せ付けていきましょう。
3Dモデルのシルエット作成手順
- テンプレートからモデルを選びます。
- 生地の風合いを選びます。
- 3Dモデルに着せ付けます。
モデルは、ソフトに搭載されているテンプレートから選択することもできますし、他社の3Dボディを読み込むこともできます。
パターンを着せ付ける際には、生地の風合いを選ぶことで、よりリアルにシミュレーションすることができます。3Dモデルは、360度どこからでも確認でき、実際に製品が目の前にあるような感覚でデザイン検討できます。
この状態で、編集ツールを使って手動でシルエットを修正することもできます。スリットを入れたり、パーツを追加したりと、3D上で確認しながら自由自在にデザインをアレンジできるのは、魅力的ですね。もちろん、いちからオリジナルの型紙を作成し、3Dボディに着せ付けることもできます。
より詳しい操作の流れをご覧になりたい方は、下記の資料をダウンロードしてご覧ください。
ニット柄の作成(AI技術による類似柄検索)
ここからは、ニットの編み組織の柄を作成していきましょう。
SDS®-ONE APEXシリーズのデザインソフトには、
ニット柄専用のデザインツールが搭載されています。
自由に活用できる編み柄のアーカイブはなんと1500種類以上。この柄データを自由に組み合わせてデザインできるので、とても簡単に作業できます。
さらに、SHIMA Datamallでニット柄のデータを検索・閲覧・購入したものを活用することで、デザインの幅が広がります。
作成した柄は、すぐに3Dモデルに反映されますので、完成商品のイメージを正確に掴みながら、デザイン検討することができます。
さらに、類似画像検索という、AIを駆使した機能もあります。イメージしているデザインの画像をインプットすると、そのデザインに近い柄を自動検索し、提案してくれます。
柄のデザインが完成したら、次は糸を指定してシミュレーションします。デザインソフトのライブラリにある約170種類の糸から選ぶこともできますし、お手持ちの糸をスキャンして使うこともできます。
また、
yarnbank®というサイトから、糸のデータをダウンロードして使うこともできます。糸メーカーが、実際に販売中の糸のデータを公開しており、シミュレーションして気に入った糸があれば、糸メーカーに直接問い合わせて購入できるのも便利です。
無料のサービスなので、気軽に試すことができます。
こうして作成したシミュレーション画像を見ると、糸一本一本の凹凸や立体感なども細かく表現されていて、実物写真と見間違える程リアルな仕上がりになりました。
また、柄をデザインした際に、ニット編成用のコードが同時に自動生成されていますので、企画した製品を実際に生産される場合は、工場との連携もスムーズに進められます。モノづくりのフローはさらに効率化できそうですね。
ジャカードデザイン(ジャカード柄に自動変換)
SDS®-ONE APEXシリーズのデザインソフトでは、ジャカード柄を作りたい場合にも便利な機能が充実しています。
ニットのジャカード柄の作成手順
- ジャカード柄にしたい図案や写真を用意します。
- ジャカード柄に自動変換します。
- 必要に応じて、柄の修正をおこないます。
図案からジャカード柄へ変換する際には、ドット絵の形で表現されるのですが、このドット1つが編み目1つ分に対応しています。ジャカードは一般的に縦横の伸びを考えて仕上げるのが難しいとされていますが、ゲージに基づいて変換されるため、イメージ通りの製品が出来上がります。
こうして作成した柄を、先程作成した3Dモデルに反映すると、製品イメージの完成です。
配色バリエーションの展開(自動配色機能など)
SDS®-ONE APEXシリーズのデザインソフトには、配色展開に特化した便利ツールも搭載されています。カラーパレットや標準搭載のPANTONEやArchromaなどのカラーライブラリからお好みで色を組み合わせることもできますが、イチオシは自動配色機能です。自動配色機能を使えば、写真やコンセプトボードからランダムに色を抽出して配色作成することもできます。
自動配色機能を使うことで、自分では思いつかない色を提案してもらえるので、色の組み合わせのマンネリ化を防ぐことができます。
まとめ資料プレゼント
ここまで、ニットウェアのバーチャルサンプル作成の流れやSDS®-ONE APEXシリーズの機能をご紹介してきました。SDS®-ONE APEXシリーズの実際の画面や、作成できるバーチャルサンプルの実例などが盛りだくさんのまとめ資料をプレゼントしています。ぜひ、下記からダウンロードしてご覧ください。
SDS®-ONE APEXシリーズのサブスクリプションサービスAPEXFiz®
SDS®-ONE APEXシリーズから、サブスクリプションサービス「APEXFiz®」のご紹介です。SDS®-ONE APEXシリーズと同様、企画・デザインから配色検討、リアルなファブリックシミュレーション、製品の3Dバーチャルサンプルまで作成可能。企画側と生産側をデジタルで繋ぎ、リードタイムの短縮と環境に優しいモノづくりを実現します。
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ファッション業界のデジタル化に役立つノウハウを一挙公開!<シリーズ全6回の概要>
wearwareでは、ファッション業界のデジタル化を促進するためのソリューションを全6回のシリーズでご紹介しています。今回はシリーズ第1回目をお届けしました。ぜひ他の回の記事もご覧ください。
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第1回目のまとめ資料は、下記からダウンロードしてご覧ください。