ファッション業界のデジタル化を促進するためのソリューションを全6回でお届けしていますが、第6回目の今回は、eコマースの利益率をアップさせる新たな販売モデルについて紹介します。バーチャルサンプルを活用すれば、撮影コストの削減や需要予想も実現。ECサイト運営に役立つテクニックを解説していきます。
目次
ファッションテックウェビナーシリーズ録画アーカイブ一挙公開!
ファッションテックウェビナーでは、ファッション業界のデジタル化を促進するためのソリューションを全6回のシリーズでご紹介しています。
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ECサイトを運営していると、アイテム数分の製品写真を大量に用意する必要がありますが、すべての製品を用意し撮影すると、大変な時間とコストがかかります。バーチャルサンプリングをおこなえば、同じ型の色違い、柄違いのイメージは画面上で手軽に作成できるため、実製品を全部用意する必要なく、ECサイトに商品イメージを掲載することができます。
これにより、撮影時間が短縮され、サンプルコストも削減できます。また写真を1点ずつレタッチする手間も省け、スピーディーな画像作成が実現できます。
さらに、商品が完成していない段階でバーチャルサンプルをECサイトへ掲載し、先行予約をおこなうという運用も可能です。需要を把握した上で生産を開始できることから、生産過多による大量廃棄や、人気商品の売り切れによる機会ロスを避けることができるのです。
では、どうやってバーチャルサンプルを作成していけば良いのでしょうか? 実際に導入している事例を紹介しながら、デザインソフトSDS®-ONE APEXシリーズを使ったバーチャルサンプルの作り方について解説していきましょう。
本記事の内容をより詳しく知りたい方は、下記からダウンロードしてご覧ください。
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バーチャルサンプルを作成する手順
シンプルなTシャツを例に、生地を製品イメージへ合成する手順を見ていきましょう。まず、写真のなかで生地を載せ換えたい部分のエリアを指定します。
専用ツールでパーツ毎にレイヤーを分けます。生地の向きが変わるところで分解しておくここで、合成したときに自然な仕上がりになります。写真のアイテムの場合、身頃、両袖、衿の4パーツにします。
続いて製品イメージに生地をマッピングしていきます。写真のように「メッシュ」という生地の流れを示す網状のデータを作成します。
ここに生地を載せ替えることができます。メッシュの形に合わせて自然に生地が合成されます。このメッシュは袖にも作成します。
一度メッシュを作ってしまえば、生地を変えていくつものバリエーションを作ることができます。Tシャツのようにシンプルなアイテムの場合、30分とかからずに作業が完了しますので、とてもお手軽です。アイテムのしわなどの陰影感も残っており、自然な仕上がりになりました。
デザインソフトの専用ツールならカラーバリエーションもクイックに展開できます。例として表地、裏地、ジッパー、アクセサリー部分の4種類の色を含むパーカーのカラーバリエーションを作ってみましょう。 まずは色毎にグループを作っていきます。アイテムの上をカーソルでなぞるだけで色が登録されますので、あっという間にグループ分けができます。
アッパーカラー、インナーカラー、ヒールと、部分ごとに複数種類から選択でき、全部で100通りほどの組み合わせが可能なカスタムオーダー企画。 購買率アップのため、Web上で、お客様が選択したものに合わせて製品イメージがプレビューされる仕組みを構築することになりましたが、その際100種類すべての製品を用意し、撮影するには大変コストがかかります。 そこで利用したのがバーチャルサンプリングです。
小さな雑貨やアイテムでもバーチャルサンプルで代用できます。例えば傘の素材だと反射や映り込みなどの補正が写真1点ごとに必要ですが、マッピング機能を使うと補正が完了したモデルをベースに製品バリエーションを作ることができるため、レタッチの時間が削減できます。また、1点ずつ写真を撮った場合は角度や大きさが異なりますが、マッピング機能を使うとそれらを統一させて整ったウェブページに仕上げることができます。
時間やサンプル作成コストを抑えるのに最適な、バーチャルサンプルの活用方法について紹介してきました。最後にポイントをまとめますので、eコマースの利益率アップ対策にお役立てください。
デザインソフトSDS®-ONE APEXシリーズで色や柄違いの商品バリエーションを展開することで、撮影点数を減らすことができます。
撮影点数が減る分、実際のサンプル作成の時間とコストを削減できます。
デザインソフトSDS®-ONE APEXシリーズの専用ツールを活用することで、クイックに画像を作成し、バリエーション展開ができます。
実製品ができあがる前にイメージのみ作成し、先行受注をすることで、売れ行きを予測し量産枚数をコントロールすることができます。また、カスタムオーダービジネスにも最適なツールです。
SDGsが訴えられる中、アパレル業界の余剰在庫については課題として取り上げられることが増えています。今後のモノづくりでは、多品種少量生産やカスタマイズ製品が主流になってくることも予想されますので、こういったデジタルツールはますます重宝されるでしょう。
eコマースの運営については、こちらの記事もあわせてご覧ください。
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