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eコマースの利益率UP! バーチャルサンプルを活用した新しい販売モデルとは?―撮影コストの削減と、需要予測を実現するテクニックをご紹介―

作成者: wearware|2022/03/31 0:31:59

ファッション業界のデジタル化を促進するためのソリューションを全6回でお届けしていますが、第6回目の今回は、eコマースの利益率をアップさせる新たな販売モデルについて紹介します。バーチャルサンプルを活用すれば、撮影コストの削減や需要予想も実現。ECサイト運営に役立つテクニックを解説していきます。

当記事の内容は、島精機製作所が主催のウェビナーを参考にしています。
全6回のウェビナー動画の閲覧と資料のダウンロードは下記サイトよりお申込みいただけます。
 
 
 

eコマースでバーチャルサンプルを活用するメリット

ECサイトを運営していると、アイテム数分の製品写真を大量に用意する必要がありますが、すべての製品を用意し撮影すると、大変な時間とコストがかかります。バーチャルサンプリングをおこなえば、同じ型の色違い、柄違いのイメージは画面上で手軽に作成できるため、実製品を全部用意する必要なく、ECサイトに商品イメージを掲載することができます

これにより、撮影時間が短縮され、サンプルコストも削減できます。また写真を1点ずつレタッチする手間も省け、スピーディーな画像作成が実現できます。

さらに、商品が完成していない段階でバーチャルサンプルをECサイトへ掲載し、先行予約をおこなうという運用も可能です。需要を把握した上で生産を開始できることから、生産過多による大量廃棄や、人気商品の売り切れによる機会ロスを避けることができるのです。

では、どうやってバーチャルサンプルを作成していけば良いのでしょうか? 実際に導入している事例を紹介しながら、デザインソフトSDS®-ONE APEXシリーズを使ったバーチャルサンプルの作り方について解説していきましょう。

本記事の内容をより詳しく知りたい方は、下記からダウンロードしてご覧ください。 

 
バーチャルサンプルについては、こちらの記事でも解説しています。 

デザインソフトSDS®-ONE APEXシリーズでできること

デザインソフトSDS®-ONE APEXシリーズでは、1枚の写真から色を変更してカラーバリエーションを作成したり、同じく1枚の写真に生地を合成して柄違いの製品を作成したりと、お手軽にバーチャルのイメージをつくることができます。
 
 
これならECサイトで製品写真として掲載しても違和感のないクオリティですね。元となる製品画像と、載せ替えたい生地画像を用意して、下記の手順でバーチャルサンプリングをおこないます。
 
それでは各項目の手順を詳しく見ていきましょう。
 
 

製品イメージに生地をマッピングしよう

シンプルなTシャツを例に、生地を製品イメージへ合成する手順を見ていきましょう。まず、写真のなかで生地を載せ換えたい部分のエリアを指定します。

専用ツールでパーツ毎にレイヤーを分けます。生地の向きが変わるところで分解しておくここで、合成したときに自然な仕上がりになります。写真のアイテムの場合、身頃、両袖、衿の4パーツにします。

続いて製品イメージに生地をマッピングしていきます。写真のように「メッシュ」という生地の流れを示す網状のデータを作成します。

ここに生地を載せ替えることができます。メッシュの形に合わせて自然に生地が合成されます。このメッシュは袖にも作成します。

一度メッシュを作ってしまえば、生地を変えていくつものバリエーションを作ることができます。Tシャツのようにシンプルなアイテムの場合、30分とかからずに作業が完了しますので、とてもお手軽です。アイテムのしわなどの陰影感も残っており、自然な仕上がりになりました。

 

カラーバリエーションを作ろう

デザインソフトの専用ツールならカラーバリエーションもクイックに展開できます。例として表地、裏地、ジッパー、アクセサリー部分の4種類の色を含むパーカーのカラーバリエーションを作ってみましょう。 まずは色毎にグループを作っていきます。アイテムの上をカーソルでなぞるだけで色が登録されますので、あっという間にグループ分けができます。

 
ここで分けたグループごとに、お好みの色へ変更することができます。 デザインソフトにはPANTONEやArchromaなどのスタンダードカラーが標準搭載されていますので、そちらから必要な色を直接選択できます。もちろんカラーピッカーから自由に色を変更することも可能です。
 
 
  
デザインソフトSDS®-ONE APEXシリーズの特徴は、もとのアイテムの陰影感を自然に残したままカラーバリエーションの展開ができることです。実サンプルを写真で撮ったかのようなクオリティのイメージが作成できます。
 
 

オンラインストアでのバーチャルサンプル活用例

ここまでバーチャルサンプルの作成方法について解説してきましたが、実際にはどのように活用されているのでしょうか? 実は既にアパレルやインテリアなど幅広い業界で、バーチャルサンプルをオンラインストア用のイメージに利用する動きがみられます。ここからはいくつか事例を紹介します。
 

シャツメーカーの事例:お手軽な柄展開で撮影コスト大幅ダウン

SDS®-ONE APEXシリーズを導入しているシャツメーカーのオンラインストアでは、大量の商品イメージが掲載されていますが、実はその一部はバーチャルイメージです。製品写真と生地イメージを合成してデザインの展開をしているにも関わらず、ひと目ではどれがバーチャルでどれが本物の製品か分かりません。
 
 
バーチャルサンプリングを導入する前は1点ずつ写真を撮っていたそうですが、ネクタイを結んだり、畳んだりしてきれいに並べなければならないため、1点撮影するだけでも時間がかかっていました。デザインソフトを活用することで、年間3000点の商品のうち、70%の撮影プロセスが省略でき、作業時間にすると80%の短縮が実現できたそうです。
 

アパレルメーカーの事例:先行予約で需要予測すればトレンドを逃さない

売れ筋の商品に新色を投入することはよくありますよね。あるアパレルメーカーでは、その新色のイメージがSDS®-ONE APEXシリーズのバーチャルサンプリングで作られています。実サンプルの仕上がりを待たずにイメージを掲載し、先行予約をすることで、需要を予測してから生産することが可能になりました。
 
 

靴メーカーの事例:Web上で完成イメージを確認しながらカスタムオーダー

アッパーカラー、インナーカラー、ヒールと、部分ごとに複数種類から選択でき、全部で100通りほどの組み合わせが可能なカスタムオーダー企画。 購買率アップのため、Web上で、お客様が選択したものに合わせて製品イメージがプレビューされる仕組みを構築することになりましたが、その際100種類すべての製品を用意し、撮影するには大変コストがかかります。 そこで利用したのがバーチャルサンプリングです。

靴のサンプルは1つ作るのに数千円かかりますので、その分のコストカットにも繋がります。カスタムオーダー用の商品イメージ作成にSDS®-ONE APEXシリーズを活用したことで、1つの企画で60数点分のサンプル経費の削減、2~3週間の時間短縮に成功したという実績も出ています。
 

カーテンメーカーの事例:撮影が難しいインテリアも画面上で展開

 

傘メーカーの事例:バーチャルサンプルの活用で商品ページに統一感を

小さな雑貨やアイテムでもバーチャルサンプルで代用できます。例えば傘の素材だと反射や映り込みなどの補正が写真1点ごとに必要ですが、マッピング機能を使うと補正が完了したモデルをベースに製品バリエーションを作ることができるため、レタッチの時間が削減できます。また、1点ずつ写真を撮った場合は角度や大きさが異なりますが、マッピング機能を使うとそれらを統一させて整ったウェブページに仕上げることができます

 

まとめ資料プレゼント

ここまで、バーチャルサンプルを活用したビジネスモデルについて取り上げてきました。ここで、本記事にて紹介したeコマースの利益率をアップする方法について、さらに詳しく解説した資料を用意しました。下記よりダウンロードして、社内での情報共有などにご活用ください。 
 

 
 

バーチャルサンプルを活用してeコマースの利益率をUPしよう!

時間やサンプル作成コストを抑えるのに最適な、バーチャルサンプルの活用方法について紹介してきました。最後にポイントをまとめますので、eコマースの利益率アップ対策にお役立てください。

Point1:撮影時間の短縮

デザインソフトSDS®-ONE APEXシリーズで色や柄違いの商品バリエーションを展開することで、撮影点数を減らすことができます。

Point2:サンプルコストの削減

撮影点数が減る分、実際のサンプル作成の時間とコストを削減できます。

Point3:スピーディな画像準備

デザインソフトSDS®-ONE APEXシリーズの専用ツールを活用することで、クイックに画像を作成し、バリエーション展開ができます。

Point4:先行受注による需要予測

実製品ができあがる前にイメージのみ作成し、先行受注をすることで、売れ行きを予測し量産枚数をコントロールすることができます。また、カスタムオーダービジネスにも最適なツールです。

SDGsが訴えられる中、アパレル業界の余剰在庫については課題として取り上げられることが増えています。今後のモノづくりでは、多品種少量生産やカスタマイズ製品が主流になってくることも予想されますので、こういったデジタルツールはますます重宝されるでしょう。

eコマースの運営については、こちらの記事もあわせてご覧ください。

 

SDS-ONE APEXシリーズについて

最後に、SDS®-ONE APEXシリーズについて簡単にご紹介します。
SDS®-ONE APEXシリーズは、島精機製作所という横編機メーカーが開発した、横編み、織物、プリント、丸編み、タオル、刺繍などのテキスタイルデザインや柄、配色の作成、シミュレーションに特化したソフトウェアを搭載するデザインシステムで、ファッション業界をはじめ、さまざまな業界で活用されています。
 
SDS®-ONE APEXシリーズを使って社内でバーチャルサンプリングを取り入れるためのスムーズな運用方法については、以下の記事をご覧ください。成功事例をもとに詳しく解説していきます。
 
 

SDS®-ONE APEXシリーズのサブスクリプションサービスAPEXFiz®

SDS®-ONE APEXシリーズから、サブスクリプションサービス「APEXFiz®」のご紹介です。SDS®-ONE APEXシリーズと同様、企画・デザインから配色検討、リアルなファブリックシミュレーション、製品の3Dバーチャルサンプルまで作成可能。企画側と生産側をデジタルで繋ぎ、リードタイムの短縮と環境に優しいモノづくりを実現します。 
 
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ファッション業界のデジタル化に役立つノウハウを一挙公開!<シリーズ全6回の概要>

wearwareでは、ファッション業界のデジタル化を促進するためのソリューションを全6回のシリーズでご紹介しています。今回はシリーズ第6回目をお届けしました。ぜひ他の回の記事もご覧ください。
 
さらに、全6回のウェビナー動画の閲覧と資料のダウンロードは下記サイトよりお申込みいただけます。
 
 
 
第6回目のまとめ資料は、下記からダウンロードしてご覧ください。